3回にわたって、英語の語順のもっとも基本となることがらを勉強してきました。どうでしたか?日本語との違いをよ~く理解し、意識してほしいと思います。
ここまでの内容をふまえれば、とりあえずは、必要な単語さえわかれば簡単な英文が作れるということになります。もちろん、単語の使い方など細かなルールはあるのですが、語順さえしっかりしていれば、英語としてりっぱに通用します。
特に会話でなら、長い文をムリに作ろうとする必要なんてないのです。ぶつ切り状態になってもいいから、短い文をつみかさねて、言いたいことを表現しようとする態度がたいせつです。ワザを使うのは、まだまだ先。それに、長い文や難しい単語を使う文がすばらしいってわけでもありません。自分にとっても、相手にとってもわかりやすい英語をこころがけましょう。いつも基本を忘れずにね。
では、今回は、主語によって動詞がちょっとばかり影響される、なんてことを勉強します。
その前にまず確認しておきたいことがあります。それは、英語が「言葉」だということ。……なんて、あたりまえですね。そう、あたりまえ。
言葉って、相手がいないとはじまらないですね。つまり、自分(I)がいて、相手(you)がいる。これで会話が成立します。英語では、この“I”と“you”がスペシャルな存在になっています。“I”と“you”は、とにかくエラいんだ、ぐらいに考えておいてください。
さて、英語は主語と動詞ではじまるんだけど、「動詞」は二種類ありましたね。ひとつはbe動詞、もうひとつは一般動詞ですね。
まず、be動詞から見ていきましょう。be動詞には、「“だ”3兄弟」がいます。「is だ、am だ、are だ」のみっつね。で、こいつら、もとい、これらの親にあたるのが”be”という単語で、だから「be動詞」というわけです。be がどんなときに登場するのかは、今はどうでもいいです。後のお楽しみ。それから、be動詞には他に、過去のことを言うときに使う「was だった、were だった」というのがあり、また、もうひとつ、“been”というヤツもいるのですが、これらについても今はおいておきましょう。
同じ「だ」という意味を表すのに、三個の単語があるわけですが、どれを使うのかは、主語によって決まります。
主語といってもそれこそ数えきれないほどありますが、第一に登場するのが、スペシャルの“I”と“you”です。このふたつは特別あつかいで、I のときは am 、you のときは are と無条件で決まっています。I am 、You are ですね。特に am という単語は I のためだけに存在するのです。なんか、いいですね~。いいでしょ?……はい、そこのキミ、「なに言ってんだこのオヤジは」なんて顔をしないように。
で、それ以外の主語は「その他大勢」あつかいです。
決め方は、主語にあたる人やものが、ひとりとかひとつだったら(これを「単数」といいますね)、使うbe動詞は is 。で、ふたり以上やふたつ以上だったら(これは「複数」)、are です。
はい、じゃ、確認してみましょう。is,am,are のどれを使うか考えてみてください。
「オレは怪物君だ」
これ、知ってる人いないだろうなあ…。それはともかく、「オレ」は I ですから、be動詞は am ですね。
I am 怪物君.
「キミはボクの太陽だ」
「キミ」は you だから、are できまり。
You are ボクの太陽.
「ボクの婚約者のお父さんはいい男だ」
主語、わかりますか?「ボクの婚約者のお父さん」ですね。何人? そりゃ、ひとりだよね。
My fiancee’s father is いい男.
「ポールとポーラは恋人どうしさ」
主語は「ポールとポーラ」だから、ふたりですね。だから、areを使います。
Paul and Paula are 恋人どうし.
というように、自分でいろいろ主語を設定して考えてみるのもいいですね。ポイントは、「 I と you は特別な存在。それ以外は単数か複数かで決まる」ということです。
次に、一般動詞に行きましょう。
一般動詞って、すんごくたくさんありますよね。たとえば、「私は本を…」の「…」の部分に入りそうな言葉を考えてみてください。読む、書く、買う、置く、破る、ひき裂く、食べる……、ってわけで、これらはみんな一般動詞ですね。それぞれが主語によって勝手に変身したら大変なことになりますが、ラッキーなことに、「後ろに“s”がつくかどうか」というだけのシンプルなルールになっています。
ここでも、スペシャルな“I”と“you”がまず登場。このふたつは特別あつかいで、一般動詞はそのままの形で使ってOK。
それ以外の「その他大勢」も、be動詞の時と同じように、主語になってる人やものが「単数」か「複数」かを考えます。主語が単数のときにだけ、一般動詞の後ろに“s”がつきます。覚えるのはこれだけ。
be動詞の場合は、主語が単数のときは is でしたね。is も後ろが“s”になってますよね。偶然だけど、おもしろい関係でしょ?
さて、今回は主語によって動詞の形がちょっと影響されることを確認してきましたが、OKですか?まあ、ちっぽけな“s”がつくかどうかですから、「ンな細かいこと、どうでもいいじゃん」と思うかもしれませんね。確かに、一般動詞につく s を忘れても英語は問題なく通じます。ほんのちょっと変にひびくだけです。地域や人によっては、この s を無視する場合もあるようです。
でも、まずは世界ではばひろく通用する、標準的な英語をめざしましょう。特に日本語と英語は、共通のアルファベットすらもたず、発音も文のきまりも発想もすごーく違う言語です。それだからこそ、なおさら基本が大事だといえます。基本を身につけて、それから好みに応じて(?)いろいろくずしてみる、なんてのもいいんじゃないかな。
英語の動詞はもともと、主語によってもっと複雑に変化していたのですが、だんだんと今のようなシンプルな形にまとまってきたのです。今でも、他のヨーロッパ言語などには強烈なものがあるんですよ~。それに比べたら、英語なんてカワイイもんです。って、ムリヤリ考えてね。