北海道斜里町の英語教室

第一回 主語と動詞だ

英語ってむずかしい?そうかもしれないね。日本語とはぜんぜんちがうもんね。ことばのならべかたもぜんぜんちがうし、日本語とは反対みたいな感じだよね。

でもね、英語って、けっこう単純なんですよ。ホント、日本語の方が複雑なくらい。日本語の方が芸が細かいと思うな。

英語はルールがはっきりしていて、そのルールの雰囲気さえつかめばパッと見えてきますよ。じゃ、さっそく行きましょうか。最初は、ことばのならべ方を勉強します。

日本語は単語のならべ方がちがっていても意味はちゃんと通ります。たとえばここに、「ボクは」「お化けを」「見たんだ」と書いた3枚のカードがあるとしましょう。これをならべて文を作るとしたら、どんなならべかたにしたらいいでしょう。

「ボクは、お化けを、見たんだ」はもちろん、「ボクは、見たんだ、お化けを」でもいいし、「お化けを、見たんだ、ボクは」と言っても、「見たんだ、ボクは、お化けを」と言っても、意味は通りますね。もちろん、気分とか雰囲気は変わることはあっても、言っている内容は同じですよね。これは、日本語が、「~は」とか「~を」などのような語を入れることによって文の意味がはっきりする言葉だからです。「ボクはお化けを見たんだ」が基本ですが、単語のならべ方はわりと自由ですね。

これに対して、英語は単語のならべ方で文の意味が決まります。これはもうガンコです。上の日本語と同じ内容を表すためには、「ボクは、見た、お化け」というならべ方にしなければいけません。これ以外はダメです。

ということは、単語のならべ方のきまりがわかれば、英語はわかってくるぞ~、ということなんですね。逆に、このきまりをおろそかにして勉強してもさっぱり上達しないぞ~ってことになるんで注意しましょう。って、別におどかすつもりはないんだけどね。それくらい大事だということです。

そこで、単語のならべ方の基本を覚えることにましょう。しつこいようだけど、ここは大事ですよ~。でも、むずかしく考える必要はありません。単純です。

まず、最初に来るのは日本語の「~は」にあたる言葉です。日本語の文の「基本」と同じです。「私は」とか、「あなたは」とか、「太郎は」とか、「ボクの彼女は」とか、「ウチのポチは」とかいったものですね。これを「主語」といいます。英語の場合、これがないと文が始まりません。だれの話なのか、「主人公」がはっきりしていないとわけがわからない。だから「主語」というのだと覚えてください。

さて、主人公がはっきりしたら、次に登場するのは……ここが日本語と一番ちがうところなのですが、「どうしたの?」にあたることばがきます。最初の例で行くと、「ボクは」「どうしたの?」「見たんだ」ということですから、「見たんだ」という言葉がくるってわけです。

さて、とつぜんですが、問題です。この「見たんだ」と同じような働きを文の中でする単語は次のうちのどれでしょう?

・・・1.飛ぶ 2.イカ 3.ポチ

正解は……ピンポーン、そう、1番「飛ぶ」です。はい、そこのキミ、しらけてちゃいけませんよ。

で、これは、「“どうし”たの?」にあたる言葉だから「動詞」といいます……ってのはお約束のオヤジギャグで、え~と、体とか心の「動き」をあらわすから「動詞」というんですね。それから、「動き」とはいえないんだけど、「イカだ」、「オヤジだ」、「ハッピーだ」の「~だ」にあたる言葉も動詞のなかまです。

この動詞というヤツは、日本語ではふつうは文のいちばん最後にきます。とりあえず、「動詞ってなんだったっけ、どうしよう」(しつこいな…)と思ったら、「日本語の文では最後に来るもの」と覚えておいてください。日本語は最後まで聞かないと何を言いたいのかわからないですよね。日本語は結論が最後にきますが、英語ははじめの方にくるんですね。

というわけで、英語のならべ方の基本は「主語と動詞」です。どんなに複雑でいやらしい文でも、これが基本です。では、実際に日本語とくらべて見てみましょう。主語と動詞を見つけてください。

「オレは毎日学校でチョコレートを食べる」

う、なんてヤロウだ、ってことはおいといて…主語は「オレは」、動詞は「食べる」ですね。英語では「オレは」は I 、「食べる」は eat といいますから、“I eat”で文が始まるということになります。

「そのチョコレートはビターだ」

主語は「そのチョコレートは(the chocolate)」で、動詞は「だ(is)」です。ならべると、“The chocolate is” になります。

「オレの彼女のベティがそのチョコレートをオレにくれる」

う~、こいつめ!ってことはぬきにして……、あれ、まてよ、「~は」がないぞ。こまった?こまるこたぁないよ~ん。「主人公」はダレ?そう、「オレの彼女のベティ(my girlfriend Betty)」ですね。ですから、これが主語です。ちなみに、このような日本語の「~は」と「~が」の使い分けは、日本語を習う外国人にとってはすんごくむずかしいんだそうです。えーと、それで、動詞は「くれる(gives)」。だから、英語では“My girlfriend Betty gives” で文がはじまります。

まずは「主語」と「動詞」。これをしっかり覚えてください。あとはそれにあたる英単語がわかれば、英語の出だしの部分はOKですね。

だいじなことは、ただ覚えているだけじゃなく、英語に接するときは常に「主語と動詞」を確認することです。覚えたつもりになっているだけじゃダメっすよ~。これが修行中のキホン。そういう習慣をつけておけば、そのうちに体が覚えてくれて、意識しなくても使いこなせるようになります。「おー、いちいち考えなくてもわかっちゃうぜ。まいったな~」というレベルを目標にしましょう。それまでは基本を大事に。忘れないでね。